UeNote

オモロい大学生「ウエノ」をnoteするブログ。

画像の説明
画像の説明
画像の説明
画像の説明
画像の説明
画像の説明
画像の説明
画像の説明
画像の説明

『砂の女』で純文学デビュー!現代社会の風刺が満載の名作に何だかハマりそうだ…!

今回は大学生にとって、

あーんまり馴染みがないであろう「純文学」について書いていこうと思います。

 

そもそも純文学とはなんぞや?ですよね。

大衆小説に対して「娯楽性」よりも「芸術性」に重きを置いている小説を総称する、日本文学における用語。

例えば…太宰治の人間失格や高校の教科書で扱われる羅生門なんかはそうですね。

 

とりあえずは大衆受けを狙ってない感じの小難しい小説。という理解でいいでしょう…(笑)

 

なんでいきなり純文学に手を出そうとしてるかというと、

『恋は雨上がりのように』アニメ版 28歳差の恋愛にどんどん惹かれていく…

こちらの記事の「恋は雨上がりのように」の作中での純文学についての描写がとってもステキに思えたからです。

 

今までは国語の教科書で読んだことあるレベルですが、これを期に挑戦してみました!

『砂の女』とは?

僕が、最初に手を出したのが「砂の女」という作品です。

 

とりあえず純文学初心者はこれ読んどけー!

…と本に詳しい友人に言われたので、まず最初の一歩としてこちらの本にしました。

 

「砂の女」は日本を代表とする純文学作品の一つであるだけでなく、海外でも多くの賞を受賞するあと一歩でノーベル文学賞?とも言われているほどのようです。

 

あらすじはこちら。

砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男を穴の中にひきとめておこうとする女。そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活を眺める部落の人々。ドキュメンタルな手法、サスペンスあふれる展開のなかに、人間存在の象徴的な姿を追求した書き下ろし長編。20数ヶ国語に翻訳された名作。

 

ストーリとしては、砂に埋もれた家から脱出を試みる男女のお話という少しSFチックで非現実的な設定です。

 

僕はSF作品があまり好きじゃないので、最初はあまり期待せずに最後まで読めないかも…と思い読み進めていきました。

 

ですが…読んだ後「これぞ本当の小説か…」という感想を抱き、本を読み終わった後の感覚としては新しいものを感じました。

 

僕をそのような気持ちにさせたのは、

・人間社会を批評する社会的メッセージ性

・作中に繰り広げられる圧巻の比喩描写

の二点かと思います。

 

まだまだ純文学のことを何も知らないぺーぺーの僕ですが、とりあえずその感想を書いていこうと思います。

砂の描写が意味するものとは?

f:id:uenotakumi:20180723004717j:image

舞台となった砂に覆われた部落と、その部落内に位置する男が収容されてしまった砂の家、それらが表す社会に対するメッセージ的なものを感じずにはいられませんでした。

現代社会の「日常」を風刺

f:id:uenotakumi:20180723091640j:image

その家に閉じ込められた者は、毎晩砂を掻いて自分が家が埋まってしまうのを食い止めなくてはなりません。

 

主人公はまんまとハメられ、その役を買わされることに。

 

まず、その部落の存在と砂を掻くという行為。

 

普段、僕たちが過ごしている「日常」となんら変わりないんです。

 

毎日、決まった時間に、決まった行為を行うことで、とりあえずの生活は保証される。

 

それらは影のもっと大きな存在の手足となって働かされているに過ぎないが、監視の目は常につきまとうため、実質的な自由はない。

 

(例を挙げると、砂を掻くという行為を怠ると砂漠での生活上必須といえる水の支給がストップします。しかし、作業を続けることで、食料や少しの娯楽が提供され最低限の生活が保証される。という仕組みです)

 

砂に閉じ込められ、

部落のために働き、

部落の規律に従順せざるを得ない

という圧倒的な理不尽を味わう主人公ですが、

 

ふと思いを巡らすと、

私たちが生きる「日常」もひょっとしたら何も変わらないのではないか、と思うわけです。

 

主人公の男は途中でそのことに気付いてしまったのではないかと思います、その点も含めてラストシーンは発見です!

 

…と言うように、

部落の存在・砂の中の家・砂を掻くと言う単調な行為こそ皮肉にも「非現実」のようで、何よりも「現実」を表していると言うことに気付くことが出来ます。

どこにいたって「自分」次第

f:id:uenotakumi:20180723092938j:image

またもう一つ面白い点として、

主人公は脱出を必死に試みますが、彼の普段の日常にはこれといった楽しみも希望も無いという風に描かれている点です。

 

(だからこそ、新種の昆虫採取に精を出しているのですが…)

 

日常に戻れたところで、職場も家族関係も基本的には上手くいってない夢も希望もない男。

 

そんな彼が

砂の中から出してくれと叫ぶ姿、

理不尽を訴える姿、

あたかも砂を脱出し日常に戻れれば、何かが好転するかのように…

 

そんな姿は何かにつけて言い訳をしては自分を変えることが出来ない人が、

自分のことを棚に上げて、環境のせいにする現代人を風刺しているように思いました。

 

そんな彼も最後の最後で、そのことに気付き(?)砂の中で生活・自分自身を受け入れることを選びます。

 

その選択は、

終盤まで読み進めたことで、夢も希望もなくなってしまうであろう僕たち読者を救ってくれる描写でもあります。

 

以上の二点から、現代社会の日常やその現代に生きる人に対する痛烈な批判を見てとることができる一方で、

それら現代社会を生きる僕たちに、わずかな希望を示す形で物語が終わるのがまたこれも秀逸でした…。

補足

「砂の女」で初めて安倍公房さんの、表現力や文章力というのもおこがましいほどの比喩表現や言葉のセンスを目にしたのですが、

 

最初はついていくのがやっとで、何度も読み返して意味が分かったり分かんなかったり…

 

僕ほどのペーぺーの読書芸人にとっては、多少言い回しが難しく読みづらさを感じてしまったのも事実です。

 

でも、曲げずに理解しようと必死に読んでいたら終盤で面白さが爆発しました。

 

なので、初めて純文学を読もうと思う方は最初にめげずに比喩や間接的な表現の解釈を楽しむことから始めるといいです。

 

でもやっぱり、体力と時間は普通の小説よりもかかりますね…。

 

ほんの300ページ弱を読むのに、半日以上かかってしまいました…(笑)

 

合う合わないがあるかと思いますが、僕は純文学に興味が出てきたので他の作品も読んでいこうと思います。

 

ただ純文学デビューとしては、『砂の女』はかなりオススメだと思います!

 

ではでは〜