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オモロい大学生「ウエノ」をnoteするブログ。

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『青くて痛くて脆い』を読んで。タイトル通り読んでて胸が苦しくなる…傑作!

こんにちわ、ウエノです。

 

今回は久しぶりに書評を、

お気に入りの小説の面白さを紹介しようと思ったわけなんですが、

 

今回読ませていただいた、住野よるさんの『青くて痛くて脆い』は正直読むのが「しんどい」小説でした。

 

読み終わった感想は、

「うわ〜きっっっついわ…」

…としばらく呆然として、数分後にひっそりとKindleのスイッチを切りました。

 

また読みたいとは思いません、ただ住野よるさんの作品の中でも傑作の部類に入るのは間違いありません。

 

ちなみに、住野さん自身で最高傑作と謳っているほどです。

題材が、

大学生の就活や学生団体を扱っている点、とにかく「青く」て「痛く」て「脆い」学生を描いてる点から大学生には絶対に読んでほしい作品です。

なぜ読み終えてしんどいのか?

『青くて痛くて脆い』を読み終えてしんどいと感じてしまう理由は、

 

誰にでもそんなが経験あって、

気付いてないけど奥底に眠っている、そして気付かされたくない感情や人の性質を小説を通して可視化させられてしまうからです。

 

「痛いとこ」をグッと掴まれて表面に引きずり出されるような体験。

僕ら、その季節を忘れないまま大人になる。p.1

そんな感情と向き合うためにも学生のうちに、大人になる前に必ず読んでおきたい小説です。

『青くて痛くて脆い』あらすじ・概要

そんな『青くて痛くて脆い』のあらすじはこちら↓↓

人に不用意に近づきすぎないことを信条にしていた大学1年の春、僕は秋好寿乃に出会った。
空気の読めない発言を連発し、周囲から浮いていて、けれど誰よりも純粋だった彼女。
秋好の理想と情熱に感化され、僕たちは二人で「モアイ」という秘密結社を結成した。

それから3年。
あのとき将来の夢を語り合った秋好はもういない。
僕の心には、彼女がついた嘘が棘のように刺さっていた。
「僕が、秋好が残した嘘を、本当に変える」
それは僕にとって、世間への叛逆を意味していた――。(青くて痛くて脆い | 住野よる | KADOJAWA)

もう少し噛み砕いて説明します。

「青くて痛くて脆い」は、偶然に大学の講義で出会った男女の二人で結成したサークル『モアイ』にまつわる物語です。

 

順風満帆に続いていたサークル活動でしたが、日を追うごとに意見が食い違っていき僕(楓)はモアイを脱退し、リーダーの秋好はもうこの世界に居ない…

 

『モアイ』結成から三年が経ち就職活動を終えた楓は、

三年間でめっきり変わってしまった、当時秋好と二人で作った『モアイ』を昔の姿に取り戻す作戦に出ます。

 

「全ては秋好のため…」そう自分に言い聞かせ、あの手この手を使ってモアイの撲滅作戦を進める楓、

でもいつしか取り返しのつかない方向へと進むことに。

それに気づいた頃には………

 

どうですか?

これ以上はネタバレになってしまいますが、そうでもしなければ魅力を伝えられないので、以下はネタバレ含むことにします。(笑)

 

この小説の真骨頂はなんと言っても、主人公の二人がかかえる「闇」です。

そんな、刺さる人には刺さりすぎる、共感出来すぎてしまう二人の「闇」を解説していきます。

楓が抱えている「闇」

楓の抱えるのは「自分と他人を美化しすぎる」という闇です。

あらゆる自分の行動には相手を不快にさせてしまう可能性がある。

そんな考えに至った楓は、人と出来るだけ関わらないことを大学生のテーマとします。

 

そして大学でよくいるキラキラ大学生を痛い・ダサいと蔑み、出来るだけ平凡に暮らすことを決意。

 

そんな時、彼の考えとは真逆の「ザ・意識高い系女子」の秋好が彼の前に現れ、彼女の魅力に惹かれていく楓。

 

その後、モアイを乗っ取ろう試みますがそれは言い換えれば「秋好」を乗っ取ろうとする行為です。

 

そんな彼の原動力は、自分を変えてくれた、新たな世界を見せてくれた秋好を神格化し、秋好はこうあるべきだという思い込みからくるものです。

 

自分の考えは正しいこうあるべきだ、そんな思いで計画を実行する楓はもう周りも、自分すら見失っています。

 

そして秋好に自分は裏切られたと思い、独りよがりを繰り返す楓は、

結果的に秋好に傷つけられた、だから傷つけ返してもいいのだ。

という考えの下、

自分の一番大切な人を傷つけ、本当の気持ちを理解できず、彼女を悲しみのどん底に突き落とすことになります。

 

好きだからこそ、思い通りにならない相手と自分のギャップに耐えられずに、結果的に相手を傷つけてしまう。

これは青春ならではの「青さ」かと思われます。

秋好が抱えている「闇」

秋好は、楓の独りよがりの行動による単なる被害者ではありません。

秋好が抱えるのは「他人を利用していることに気付かない」という闇です。

自己顕示欲やお金や性欲のために、人を利用できる。

正義感を確かめる場所としてモアイを使うことも。

寂しくて、先輩を恋人代わりに使うこともー

秋好は自分がこうありたい、と思う理想がめちゃくちゃに高い。

そんな理想を実現するために「周りを利用している自分」に気付くことがないのが秋好の唯一の欠点です。

 

意識が高すぎて、理想が高すぎるが故に自分を客観視することが出来ない。

 

そんな秋好の抱える闇による被害者の一人には楓も入っています。

 

高い意識と理想をもって楓を巻き込んで始めたモアイが、だんだんと就活のためのコネ作り団体に成り下がっていることに気付くことができませんでした。

 

自分を正当化するあまり、周りを傷付けていることに気付くことが出来ない。

 

そして自分の闇を暴かれると一気に崩れ落ちてしまう「脆さ」は見ていて、とても「痛い」です。

 

最終的に、秋好と自分自身の気持ちに気付けなかった楓が悪者のような描かれ方をしてますが、

そんな秋好の抱えていた闇もかなり深かったと個人的に思っています。

見所・まとめ

独りよがりで突っ走って結果的に大切な人をひどく傷付けてしまう楓、

高い理想に囚われ、本質が見えなくなり周りの犠牲者に気付かない秋好、

そんな二人の青春は「青くて、痛くて、脆い」です。

 

本作品は、読む人によって登場人物のだれに自分を投影させるかによって、抱く感想が変わってくると思います。

 

作中に描かれている人物の中にある、青さや痛さに共感を覚えながらも自分と向き合ってみてください。

 

その中でも、住野さんが共通して訴えていたことは、

若いうちに大切な人を傷付け、それ以上に自分が傷つくことの大切さ。

ではないかと思います。

怖いに決まってる。僕は僕だ、変わらない。無視されてもいい。拒絶されてもいい。その時もう一度、ちゃんと傷つけ。

と言う最後の楓のフレーズに、本作品の全てが凝縮されている気がしました。

 

最後に、

全体的に読んだ人にしか分からないような書評だったのかなと思いますがお許しください。

 

素敵な小説でした、

冒頭ではもう読みたくない本、と言いましたが、数年後にまた読みたいと思えるお気に入りの物語です。

 

ではでは。

青くて痛くて脆い

青くて痛くて脆い