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『小暮写真館』を読んで。心温まる家族&青春を描いた感動のストーリー!

こんにちわ!

たまには読書もします。ウエノです。

 

今回は宮部みゆきさんの長編小説である、『小暮写真館』を読みました!

小暮写眞館 (書き下ろし100冊)

小暮写眞館 (書き下ろし100冊)

 

 

宮部みゆきさんと言えばベストセラーになった『ソロモンの偽証』で描かれたように少し「エグい」ミステリー小説のイメージがありますが、

 

今回紹介する『小暮写真館』は、ゆるい展開で主人公を取り巻く人々の生活が展開していくとてもほのぼのとする感じ。

 

それでもやはり続きが気になって次々とページをめくる手が止まらず、

そして最終的には「大きな感動」のエンディングに辿り着く…

 

といったように、宮部みゆきさんらしさが存分に発揮された長編現代版ミステリーと言われている作品です。

『小暮写真館』あらすじ 

四部構成からなる書き下ろし長編小説となっています。あらすじは以下の通り↓

第1話・小暮写眞館、第2話・世界の縁側、第3話・カモメの名前、第4話・鉄路の春の4部から構成される。

ごく普通の高校生1年生・花菱英一は平凡な両親と弟の4人暮らしである。

両親が結婚20周年を機会に購入した念願のマイホームは「小暮写眞館」という看板が軒先に掛かったままである築30年以上の元写真館であった。

花菱家が「小暮写眞館」に引っ越すとすぐに心霊写真が持ち込まれたり、身の周りで心霊現象を体験するようになる。

友情・恋愛・死・出会い・別れを経験し英一は少しずつ成長していく…

 

元の家が写真館だったからという理由だけで花菱家には色んな心霊現象を思わせる写真の調査依頼が来ます、

そんなありがた迷惑の写真を長男の英一が高校の同級生や弟の光と協力しながらその謎を解き明かしていくー。 

 

ザックリ言うとこんな感じのストーリーです。

 

でも、写真の謎に迫るミステリー要素に主眼が置かれているのではなく、その写真の取り巻く人々の背負った重い過去やそこで英一が出会う人との繋がりが主なテーマなっています。

 

そこで出会う登場人物を宮部みゆきさんお得意の人物描写で一人一人を丁寧に、かつ繊細に描きます。

 

以下に簡単な登場人物を整理していきます。

『小暮写真館』登場人物

□花菱英一(花ちゃん)

この物語の主人公。花菱家の長男であり自分より何事においても出来のいい弟と、親友のテンコに少々コンプレックスを持つ。

面倒くさいと言いながらも頼まれると断れない&几帳面な性格で文句を言いながら何事も卒なく丁寧にこなしてしまう。

 

□店子力(テンコ)

英一の親友で実家は名手でお金待ち。学業、容姿ともに優れており英一が困った時はいつも的確な対応でピンチを救う。弟の光と兄の英一よりも仲が良い。 

 

□寺内千春(コゲパン)

一目見れば、そのあだ名の意味を全員が理解するほど真っ黒な肌をもった英一たちのクラスメイトの女の子。本人は気にしているらしいが…

色々あって、英一の調査に積極的に協力することに。

 

□花菱光(ピカ)

私立の有名小学校に通う英一の弟。小学二年生とは思えない可愛い容姿と兄に劣らない知識と知恵で調査に協力する。

苦手なものはオバケ。

 

□花菱秀夫・京子

英一の両親であり、古屋である写真館をそのまま新居とする辺りからも分かるように相当な変わり者。

かつて四歳であった娘の風子(ふうちゃん)を亡くすという辛い過去を持つ。

 

□垣本順子

写真館を仲介したST不動産の事務員であり、人間的に欠点が多いことからミス垣本と呼ばれる。

実際は彼女自身そのように振る舞わざる理由が…

 

主な登場人物は以下の通りです。これらの登場人物をすべて丁寧な描写で描いていくんですねぇ。さすが宮部さん。

『小暮写真館』感想・見どころ

次々に持ち込まれる写真に秘められた謎

花菱家には元写真館に越してきたという理由だけで多くの奇妙な写真の謎の調査依頼が届きます。

 

心霊写真というのは不可解な現象などではなく、撮影者や被写体の強い思いや感情の起伏などを表すのだそうです。

 

そこで英一は調査するにつれて、多くの辛い過去や今に向き合っている人に出会います。

 

そんな人々との出会いを通して英一を始めとする登場人物が成長していく様子がこの作品の魅力の一つでもあります。

「必要なときに、絶妙なタイミングで、会うべきヒトに会うようにできてるんだよね。これが天の配剤ってヤツかなあ。」

 

「生きてる者には、ときどき、死者が必要になることがあるんだ。僕はそれって、すごく大切なことだと思うよ。この世でいっちばん怖ろしいのは、現世のことしか考えられない人だって、つくづく思うから」

 

「泣かせようなんて、これっぽっちも思わないんだよ。幸せにしようって、いつも本気で思ってるんだよ。だけどね何だか泣かせちゃうことがあるんだ。」

英一が色々な人に出会っていく中で触れるセリフ・名言はとても深く、印象に残るものが多くあります。

 

その本当の意味が知りたい人ぜひ本編を読んで…

圧巻のラストを飾る第四話

四部構成のうちの第四話は心霊写真の問題は出てきません。しかしこの話のために前の三話があるようなもの。

伏線をすべて回収し、様々な問題が雪溶けに向かいます。

以下に二つポイントを↓

※少し話の結末含みます!

ⅰ. 花菱家の抱える大きな問題

登場人物の紹介のところで少し述べたように花菱家は数年前に長女の風子を不慮の事故で亡くしているんです。

 

また花菱家の家族四人はそれぞれ風子が死んでしまった原因を自分のせいだと考えてしまっています。

 

あの時、もっと早く帰っていたら…

あの時、短時間の仮眠さえ取らなければ…

あの時、変なプライドのせいで自分を抑えなければ…

あの時、僕さえいなければ…

 

第四話ではそんな四人のトラウマが徐々に薄れていき、未来に向かって家族が歩み出します。

 

ここで宮部作品で一貫して表現される、「残された者の不幸」の存在と「それを受け入れてどう生きるか」を強いメッセージとして読者に訴えるのです。

ⅱ.実はヒロインな垣本順子

英一が不動産屋に足を運ぶごとに事務員のミス垣本は「バッカみたいっ」と憎まれ口を叩きます。

 

しかしそんな彼女の本質を見抜く能力やふとした時にみせる女性らしさに英一はなぜか惹かれていく自分に気付きます。

 

彼女には凡人には想像しがたい過去があり、彼女自身も英一と過ごす時間が増すにつれて過去に向き合うことが出来るように…

 

そんな中、迎えるラストはただただ感動…と同時にもう物語が終わってしまうのかと悲しくもあります。

 

「続きが見たい」というよりは、

「まだまだ彼らの物語を見ていたい…もっと共有したい。もう終わりなの…」といった感じです。

 

こんなにいい意味でラストを迎えたくない作品に初めて出会いました…はい。

最後に

800ページ弱ある長篇小説なのですが、すいすいと中だるみなく読んでいけるのではないでしょうか。

まだまだ読んでいたい…!そんな作品です。

ラストを迎えると同時に、表紙の描写が意味するものと、帯に書かれた本当の意味が分かるかもしれません。

 

講談社から上下巻出ていたものが、今年2017年になって新潮社からⅠ〜Ⅳ巻の四冊で重版されることが決まりました。

 

ぜひぜひ一話からでいいので読んでみてください。

 

小暮写眞館I (新潮文庫nex)

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小暮写眞館III: カモメの名前 (新潮文庫nex)

小暮写眞館III: カモメの名前 (新潮文庫nex)

 
小暮写眞館II: 世界の縁側 (新潮文庫nex)

小暮写眞館II: 世界の縁側 (新潮文庫nex)

 
小暮写眞館IV: 鉄路の春 (新潮文庫nex)

小暮写眞館IV: 鉄路の春 (新潮文庫nex)

 

 ではでは!